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あの雲のあたりへ  八木重吉さんの詩

Category: 詩より  


雨のずっしり降りしきる今日、

書棚の隅で長い間眠っていた、
古~~~い詩集に、呼ばれるように手が伸びました。

青春時代に心の打たれた詩
歳を重ねて私はずいぶん変化したものですが、
同じ詩に、昔と同じように心を打たれる私さんが
私のなかにはまだ居てくれたようです。

八木重吉さんの哀しいまでに透明な詩です。
詩集の最初の2、3頁から、
目に入った範囲で、幾つかだけシャアさせていただきますね。



「八木重吉詩集 鈴木亨編 白凰社出版」より



~ 白い夜 ~

白い 枝
ほそく 痛い 枝
わたしのこころに
白い えだ



~ 哀しみ火矢 ~

はつあきの よるを つらぬく
かなしみの 火矢こそするどく
わずかに 銀色にひらめいてつんざいてゆく
それにいくらのせようと あせったとて
この わたしのおもたいこころだもの
ああ どうして
そんな うれしいことが できるだろうか



~ フェアリの 国 ~

夕ぐれ
夏のしげみを ゆくひとこそ
しずかなる しげみの
はるかなる奥に フェアリの 国をかんずる



~ おおぞらの こころ ~

わたしよ わたしよ
白鳥となり
らんらんと 透きとおって
おおぞらを かけり
おおぞらの うるわしい こころにながれよう



~ 植木屋 ~

あかるい 日だ
窓のそとをみよ たかいところで
植木屋が ひねもすはたらく

あつい 日だ
用もないのに
わたしのこころで
朝から 刈りつづけているのは いったいたれだ



~ ふるさとの 山 ~

ふるさとの山のなかに うずくまったとき
さやかにも 私の悔いは もえました
あまりにもうつくしい それの ほのおに
しばし わたしは
こしかたの あやまちを 讃むるようなきもちに
 なった



~ しずかな 画家 ~

だれも みているな
わたしは ひとりぼっちで描くのだ
これは ひろい空 しずかな空
わたしの ハイ・ロマンスを この空へ 描いてや
 ろう



~ うつくしいもの ~

わたしみずからのなかでもいい
わたしの外の せかいでもいい
どこにか「ほんとうに 美しいもの」は ないのか
それが 敵であっても かまわない
及びがたくても よい
ただ 在るということが 分りさえすれば
ああ ひさしくも これを追うに つかれたこころ



~ 鉛と ちょうちょ ~

鉛のなかを
ちょうちょが とんでゆく



~ 花になりたい ~

えんぜるになりたい
花になりたい


~ 無造作な 雲 ~

無造作な くも
あのくものあたりへ 死にたい



☆---------------------



昔、私は重吉さんの詩の「無造作な 雲」が
大好きでした。

幾百回ともなく、空を見ては、
あの雲のあたりへ・・・・・と思ったことか・・・・・。

八木重吉さんが、この2行だけの詩をどんな心境で書かれたのかは
ご本人しかわからないことでしょうが、

私の印象は、空(くう)になりたいという感じかしら?
それも無造作に・・・。

少し言葉を足しますと、
こころが澄んで透きとおって
固いものが何もなくなって、
ただの光の粒子になって
あの雲のあたり(澄んだひかりのふところ辺り)に溶けたい・・・・・という感じかしら?
(私の勝手な印象ですけどね。)

空(くう)になりたい、でもなれない私は、心が悶々としているとき、
よく空を見上げては、
重吉さんのたった2行の詩をハミングするように思い出していたのでした。^^


八木重吉さんは
哀しいまでに透明な、美しい幾多の詩をお残しになって、
昭和2年に、30歳の若さで、肺結核で亡くなられています。



重吉さんは、詩に書かれたように(上参照)
きっと”えんぜる”に、お成りになっていらっしゃることでしょうね。

そうして、あの雲のあたりで
ハイ・ロマンスを
描いていらっしゃるかもしれませんね。

あるいは、透明な、フェアリの国で
うつくしい、ひかりの花に、なっておられるのでしょうか? 










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テーマ : 小さなしあわせ    ジャンル : 日記
 2009_12_05

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元、染織工芸作家&美術講師。
子供から大人を対象に美術指導をしつつ、色彩の表現など含めてストイックに心と技の研鑽&染織作品発表という日々を過ごす。
傍ら、仏教学を学び、実践として禅を学び、工芸の仕事を動禅と捉え、仕事を通して禅瞑想を深めてゆく。

幾つかの大小の節目を経て染織作家活動からは引退し、呼ばれるようにしてスピリチュアル系の学習レッスンを重ね、98年より(暮らしに支障のない範囲で)レイキ他、自己変容のための各講座を企画。
06年2月、突然、天使層に出会い、強い導きを受け、その後は天使&高次系アチューメントセッションをメインに行う。
 
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