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「日本の自画像」展 ~写真が描く戦後~ 愛知県立美術館


syuusenntaiyou.jpg
「終戦の日の太陽」 濱谷浩氏 1945年撮影


この写真は、「日本の自画像」展の始点として展示されていたものです。

太陽に土星の輪のようなものが架かっているのが見えます。
天文学的にどうなっていたのかは判りかねますが、
何とも象徴的で神秘的な写真に見えませんか?

土星の輪のようなものは、横から突き刺さった剣にも見えます。
戦争にひた走ったひとつの時代の終焉を物語っているのでしょうか。

また、見方を変えると、遠くから両手を開いて近付いてくる赤ちゃん(天使?)にも見えます。
新しい時代の始まりを示しているのでしょうか。

そしてUFOにも見えます。
”未来”への大きな意味でのフォーカスを告げているのでしょうか。


終わりと始まりと未来を同時に暗示しているような・・・・、
不思議な写真です。


終戦の日の、その当日の太陽に
このような瞬間を捉えた写真家がいらしたのですね。


図録の説明を読みますと、氏は1945年8月15日に終戦の放送を聞いた後、
近くの善導寺(氏の当時の疎開先)の2階に駆け戻り、
空に燃えさかる太陽を撮影しようと、天に向けてカメラを取り上げた。
と書かれています。

何が氏にそうさせたのか・・・・・・と、図録の記事は続きますが、

実際、何がそうさせたのでしょうね。
はたして氏ご自身だったのでしょうか?それとも太陽が氏にそうさせたのでしょうか?
空想的にも、さまざまに考えさせられますね。




下はパンフレットです。
愛知県立美術館で12月13日まで開催されています。
anotoki1.jpg
「紙芝居」 土門拳氏 1953年撮影



展覧会について、図録の説明文を少しお借りしながら説明しますと、
太平洋戦争が終わり、荒廃した国土から出発した日本がわずかな期間に劇的な変容を遂げてゆくことになった
1945年(終戦)から1964年(オリンピック開催)までの激動の時代を
カメラで記録した写真展です。

パリ在住の日本写真史研究者であるマーク・フューステル氏によって写真の選編集が行われているそうで、
西洋に位置する若い世代の眼差しで編集されたという点にユニークさがあるでしょうか。


写真はすべて、日本を代表する写真家達によって撮影されたものです。
厚い図録から一部をコピーさせていただきますと、




hurouji2.jpg
「煙草をくゆらす戦災孤児」 林忠彦氏 1946年撮影

↑この少年達は無事生き抜いたのでしょうか・・・・?



matikomaki.jpg
「真知子巻きでおつかい」 田沼武能氏 1955年撮影



sibuya.jpg
「渋谷駅前の交差点 東京」 長野重一氏 1956年撮影




syoku.jpg
「職を求める人、飯田橋職業安定所 東京」 林忠彦氏  1953年撮影

↑この写真には胸が締めつけられました。




と、もっとご紹介したいところですが、
厚い図録の頁からコピーをするには
私のスキャナでは無理があって、ここまでとさせていただきますね。
{図録:日本の自画像 写真が描く戦後1945-1964より 発行:クレヴィス)



展示されている写真は168枚もあって、
なかなかのボリュームですし、
内容面でもかなり見ごたえがありました。



下は案内パンフレット裏面です。
syasinntirasiura.jpg


展覧会の構成の仕方は、
終戦を始点として、日本人がいかに素早く、アメリカナイズ?されてゆきながら、
しなやかに(したたかに)、がむしゃらに、強靭に、柔軟に、
復興を遂げて行ったかを追う流れになっているようでした。


ですが、写真家達の眼差しは、
必ずしもそういうことばかりに向けられている訳ではなかったようです。

168点にも及ぶモノクロ写真は、
シビアに社会の様子や人々の暮らしを実写し、
包み隠さず時代を語り、イデオロギーを語っています。

同時に、人間というものの哀しさや愚かしさを、
弱さや強さを、
生きることの辛さや切なさを、また尊さや素晴らしさをも、
語ってくれているように思えました。


見ている途中で、ふとこんな言葉が思い出されました。
生きるために生きる、何の訳があらんか・・・。

たぶん何かの本で垣間読んだ言葉だっただろうと思うのですが、
生きるに訳などいらない、ただ生きる、
生きること事体が、宇宙の何億万の星の全部ほどの価値がある、
というような意味だったかと・・・・・・。



今、新しい変動の時代となっています。
生きるということが困難に感じていたり、
生そのものが、おろそかにされていたり、
また生きることの有り方も問われてさえいる時代です。


今という現在社会の土台ともなっている
戦後復興の時代を、写真を通して振り返ることは、
こういう今だからこそ、とても有意義ではないかしら?と感じました。


感慨深い展覧会でした。


皆様もご都合が許すなら、どうぞお出かけくださって、ご覧あれね。
会期はあとわずかですが・・・。









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テーマ : 美術館・美術展情報    ジャンル : 学問・文化・芸術
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プロフィール

Aya

Author:Aya
 
元、染織工芸作家&美術講師。
子供から大人を対象に美術指導をしつつ、色彩の表現など含めてストイックに心と技の研鑽&染織作品発表という日々を過ごす。
傍ら、仏教学を学び、実践として禅を学び、工芸の仕事を動禅と捉え、仕事を通して禅瞑想を深めてゆく。

幾つかの大小の節目を経て染織作家活動からは引退し、呼ばれるようにしてスピリチュアル系の学習レッスンを重ね、98年より(暮らしに支障のない範囲で)レイキ他、自己変容のための各講座を企画。
06年2月、突然、天使層に出会い、強い導きを受け、その後は天使&高次系アチューメントセッションをメインに行う。
 
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