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2016/01/16

彫刻家、故・佐藤司氏の思い出 & シルバー・アクセサリーショップ「Atelier fuu」のご紹介

 
 
   

1972年
佐藤司  アルミ作品

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同  アルミ作品
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同  アルミ作品
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1982年 おそうじおばさん 鉄
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 ~ 1989年発行:佐藤司作品集より ~



パンリアル美術協会に出品活動されていた彫刻家であり、版画家であり、陶芸家でもあった、
多才な芸術家・佐藤司氏が30代後半という若さで急逝されたのは
1988年のこと。


この年齢では、いくらなんでも早すぎる急逝の報に、
当時ショックを受けた友人や関係者そして作品の多くのファン達・・・・・・・・・・・、
その一人が私でした。


創造性に富み、
人間の念を深く追及しているかと思えば、
時にユーモラスでもある各作品に感じ取れる、
溢れるような豊かな才能ぶりに

私はどちらかというと、
新しい作品を目にする毎に
その才の源泉に見惚れつつ、ただ舌を巻くばかりだったものでした。
 (その頃、私も若かった・・・・・・。^^)





当時、夫人のお腹には
お子様が・・・・・・・・・・・・・・。
身重のお体でのご葬儀は誰の目にも痛ましいもので・・・・・・・・・・。





その後27年
遺された夫人は子育てをなさりつつ、
夫殿の技の一部であった彫金技術を継ぎ、続けて来られ、
昨年秋、すっかり成長なさったお子様(今ではもうママだそうで。)とご一緒に
手創りのシルバーアクセサリーのお店をオープンされました。


それを知ったのは、賀状でそのお知らせをいただいての事。



で、早速、行ってきました。


買ってきました。^^


リングをいただくつもりでしたが、初めに目に飛び込み、選んだのは
これ。(バングルです。)


satoubanguru1.jpg
(写真はショップHPで紹介掲載されているのをお借りしました。)

& このバングルに合わせて細身のリングを一つ。

(両方シンプルなデザインです。
シンプルさが、銀の素材イメージを引き立てているようで気に入りました。)

ホワイトアゲートの石が一つ付けられたバングルと、シルバーのみのシンプルなリングとで、
セット使いの予定です。
リングはサイズが無く、(私の手指の関節がやたら太いため (ToT) )
サイズ調整のため、まだ手元に来ていませんが、楽しみです。





お店は小さいけれど、
センスの良い独特のオリジナリティで溢れた、
手作りのオシャレ空間に演出されていました。


故、佐藤司氏の息吹もあちこちに感じられるようで、
命は、心に脈々と響きあい、繋がっているんだなと
感慨深いものも感じました。



夫人とお話するのは本当に久々で、
(氏の没後お目にかかる機会がありませんでしたから・・・・・・、)
お腹の中だったお子様がすでにママとなっていることも存じ上げず、
初めてお会いして、ご紹介いただき、

なんだか
ね、

内心、ウルッと来そうだった私なのでした。


歳月の何という早さか・・・・・・ここでもいやおうなしに感じつつ・・・・・・・・・・・・・・・・・。





商業施設のような目立つ立地ではありませんが、
何もかもが手づくり風で温かみのある、
隠れ家的な、素敵なお店です。


お近くの方、(遠くの方も、^^)
興味が湧きましたら、是非足を運んでみてはいかがでしょう。

Atelier fuu +
Vangue & Joliet  Silverjewelry








人生は短く、思えば一瞬の泡沫のようであります。
とは言え、

辛いとき程、長く長く長~く感じるものです。

氏の亡き後、身重のまま遺された夫人のお心、いかばかりであったか・・・・・・、
察するに余りあります。

よくここまで来ましたねと、これまでの歩みの全てを
祝福申し上げたく思いました。










 
 
 
 
 
 






絵や美術展&アートティックショップ
2014/12/24

レオナルド・ダ・ヴィンチ画   未完の「聖母子」に寄せて

15toumei222.gif
未完の「聖母子」
画:レオナルド・ダ・ヴィンチ
15世紀

141224da1.jpg

中央に聖マリア、後ろにマリアの母アンナ、
右に幼いイエス、そして受難の象徴としての子羊が描かれています。

この絵は未完成のまま、
ダ・ヴィンチはその稀なる多才天才としての生涯を終えています。が、


思えば、
この地球界の人類もまた、
ある意味、いつまでも未完のままと言えるかもしれません。



以前、映画で話題になっていた
ダ・ヴィンチが、絵に秘めて残した(かもしれないとされる)
人類へのメッセージコード(映画ではダ・ヴィンチコードと呼ばれていたかしら?)は
”未完”という意味だったりして・・・・・・。


そしてまた、
ダ・ビンチのこの絵は未完でありながら、稀有なる完成度となっています。
 (見れば見るほど奥深く味わい深いものを感じます。)


それらを合わせて
思いを巡らしますと

(いささか、いや相当?飛躍し過ぎではありますが、)

未完の状態の中にも完全性があるということを、
この絵は垣間見せてくれていると、思えば思えませんでしょうか?


つまり
ダ・ヴィンチが人類に残した(かもしれない)メッセージコードとは
未完成=完全 ということだったりして・・・・・・・・・・・。


(と、独断と偏見による、かってな私的こじつけ解釈です。
決して信じたりなさいませぬようにね。(^_-)-☆))




~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*




日々、繰り返されている、
地球界での暴力や不合理が無くなりますように・・・・・・・・・・・・祈りつつ、



☆☆ メリー・クリスマス ☆☆


皆さま、どうぞ素敵なクリスマスをお過ごしくださいませ。




















絵や美術展&アートティックショップ
2014/06/22

夜のイメージから光への転換   ムンク壁画 「太陽」

 
   
 
   
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 ↑ この「叫び」という絵で有名なノルウェーの画家・エドヴァルド・ムンクの絵は、
内面の不安、絶望、憂鬱などが前面に出過ぎていて、
 (あえてそういう内面性と向きあい描かれているのでしょうが、)

私的には、好みとならず(直視しがたく) (ーー; 
引いていました。 


なので、そのムンクが
下記のような光の絵を描いていたことを、知りませんでした。
 これぞ食わず嫌いだったがゆえの(視野の)落とし穴というものかしら・・・・・・・。



「太陽」
 ノルウェー・オスロ大学の大講堂の壁画の一枚

1406munnku.jpg

  ~ 絵は、あとこれ様 http://artcoll.sblo.jp/ からお借りしました。~


7年の歳月をかけて完成させた講堂壁画の中心を成す絵で
フィヨルドの海に昇る太陽だそうです。


「美の巨人」のいうTV番組で取り上げられていて、あいにく忙しくしていて、
5分程度しか見られず
あれは何だった?という感じで、後で調べました。(笑)



恋人の女性が手にしたピストルの暴発事件が機で
放浪し、
神経症の発作で一旦精神病院に入院治療もし、

それらのプロセスを通して新しいムンクが生まれていったようですね。
詳しいことはまだ私の頭のなかでは調査中です。(笑)

(ムンクさんは、幻聴にも悩まされ、不安に満ち満ちた自己から
脱却したのだろうか?)



この絵には
自然回帰といった啓蒙的意図も感じ取れはしませんでしょうか?
大学講堂の絵なので、
啓蒙的意味合いは、当然のごとく意識したかもしれないけれど、
自らへの啓蒙もあったのかもしれません。

(大学講堂という、繊細かつ病的で自由放浪性さえある画家としてはイメージ違いの
ある種特殊な場の壁画を描くプロセスが、ムンクの内面を救ったという面も少なからず有るやも・・・・・・・・?)


絵は素朴さを残した原初的なイメージが表出され、
また原初を感じさせるようなタッチで描かれています。


揺れるような絵が主だったムンクとしては珍しく直線的タッチが見られますが、
単調な直線では無く、
むしろ揺れながら直線表現に向かってゆく心のプロセスの跡も、垣間見えるような・・・・・。


長い間、抱え続けた不安に揺れる内面があったからこそでしょうか?
線は繊細で、豊かで、何とも味わい深い表情を含んでいるように見えます。



たくさんの下絵を描く中でも揺れる内面はまだまだあったことでしょう・・・・・・
完成までの7年の歳月をとおして、次第に、陽炎立ち昇るような生命感のある直線表現に、そして太陽の降り注ぐ昼の輝きへ、向って行ったのかもしれません。


完成した絵は色鮮やかで、自然と溶け合い、豊潤で、なんと魅力的でしょうか。




叫びのムンク、夜のムンク、死のムンク、
これらのイメージを世界に焼き付けたムンク画業の
集大成ともなる絵が豊潤な光を感じさせるものであったことは、何という幸いでしょうか。
見る側にも
希望を感じさせてくれませんでしょうか?



ムンクが経た様々な課程が結局必要であったのだなということや・・・・・、
ピストルの暴発事件も
もしや影から光への転換を促すための神様からの贈り物だったのかも?などと、
思えば思えないわけでもない・・・・・・・・、そういう結果ともなった一枚に思えました。




* ムンク展が昨年から今年3月まで東京で開催されていたのですね。
先にこの「太陽」を知っていたら、興味を覚えたかもしれません。
 行くか行かないかは別として。

その展覧会を見に行かれた方達のブログで取り上げられている、
版画集「アルファとオメガ」は
陰惨な物語ながら、興味深いです。
こちらのアートブログ様で丁寧で紹介されています。




~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~





と、今日は珍しく朝からささっと記事を書きました。 ^^



土砂降りの雨予報ですが、こちらはまだ降っていません。
これからかな?


皆さま、雨季ではありますが、どうぞ良い休日を・・・・・・・・。


















絵や美術展&アートティックショップ
2014/05/12

近況 (母の日に寄せて)  &  洋画家、赤塚一三・新作展 --深みある色感と内省と--

 


散策中、池のほとりで。
5月のうららかな日差しの中で黄色のマーガレットが晴れやかでした。
140506iektomagaretto.jpg




昨日は母の日、
ということで、試しに電話をしてみる。 
と、出た! 母が自分で・・・・。
 
母は2月、かなり危ない病状から(一時?ながら)脱し退院したものの、認知症は進んでいます。
しばらくは寝たきりともなり、起きられるようになってからも電話には出られない状況が続いていましたので、
久々に母らしい懐かしい電話応対を聞けて、嬉しかったです。
 

しっかり話しが出来・・・・・・というのは半々ですが、
電話への出方を思い出してくれていることが、先ず先ずの上々回復かと。
 
 


昨夜、TVで認知症による徘徊事故や行方不明の番組が放送されていて、
当家でも直面していることであり、
他人事とは思えず、固まって見入ってしまいました。

 
医療は進み、しかし認知症も進むというのは
今後、(当家のみならず)この社会にとってどうなのでしょうね。
 
 

誰もが、自分がおむつをして徘徊するようには成りたくはないだろう・・・・・、
が、現状食い止められない患者数の増大・・・・・・。
 
考えさせられます。

 
 
一方、クリエイティブなお仕事をされている人々は
比較的、そうした傾向は少ない方ではないだろうか?
 
例えば、画家、彫刻家といった芸術系のお仕事の人々。
「六十、七十は鼻たれ小僧、 男ざかりは百から」と
名言を残した彫刻家:平櫛田中氏の例もあるように・・・・・。
 
 
100歳は越えなかったまでも、
ピカソさんもシャガールさんも長寿で、最後まで脳が衰える様子もなく
精力的にお仕事をされてますよね。
(ま、ほんの一握りの人と言えば、そうではありますが。)


 
 
 
さて、認知症の話題が先になっては失礼でしたが、
 (お許しあれ)
 
 
ご縁の有る絵描きさんが、久々に個展をなさいましたので、
あまり時間が取れなかったのですが、
少ない時間予定で急ぎ出かけてきました。


 
 
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案内はがきより
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140512.jpg
木の間の星岩 100号

 
(上の絵の写真は実物より、そして案内のはがき写真より色目が薄いです。
手持ちのスキャナの解像度の、これが限界ですので、どうぞご了承ください。)

 
 
この絵を会場で拝見した時、
解釈が今一つ??と戸惑いましたが、
なかなか面白い発想に思えました。し、不思議な魅力を感じました。
 
中心に配置された大きな岩に
何をお感じになり、何を象徴されようとなさったのでしょうね。
考えつつも魅入りました。

作者ご本人に意味などお尋ねしますと、”舌足らずで・・・・・”と苦笑されておられましたが・・・・・・・。



この方の絵はどちらかというと全般的に、
舌足らずと言うか(それも言い得ているかも・・・)完全ではない未完の感が常にあるような・・・。

そうして未完と完成の狭間で
独特の浮遊感のある”ポエム”が、浮かび漂い消えつつ
風のそよぎのように奏でられているような。


完成とはなんだろうと?ふと思います。
よく絵の評論では、完成度の高さと言う言葉を耳にしますが、

この方の絵は
未完の雰囲気こそ、
色彩による詩が、風のようにそよぐ画上の完成なのかもしれません。
 (と個人解釈に過ぎませんが。)



下記は、案内状に記載された紹介文です。
しっかりした素晴らしい文章ですので、
一部ですが抜粋掲載させていただきますね。
 
 

----- さまざまな風景のモティーフが
豊かな表情を醸し出すこの精密な構成と筆致は、
あくまでも自然に対する敬虔な思いと生死の境を彷徨した青春時代の経験など
生命あるものに対する思い入れから成り立っている。
描きたいのが「永遠の現在(いま)」であるという赤塚さんの姿勢は
160年を経た民家を改造したアトリエで制作する静物にも一貫している。
 
イタリアの画家モランディに私淑し、敬愛するボローニャの私立美術館を3回も訪ねた内省の画家は
時間と空間表現に腐心する。
質朴な人柄から生まれる作品は、どれもアグレッシブな意欲の賜物であろう。------
 文:金原宏行





氏は、長いスランプを経験され、
フランスへの旅等をとおして現在は少し抜け出されたようでした。
色彩が明るくなられたかしら?


山や谷、スランプは大なり小なり誰にでもありますね、どんなお仕事、どんな生活面でも・・・・・。
人生ですものね。^^


 


~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~





さて、ゴールデンウイーク前後、ばたばたと忙しくしていましたが、
今週はセッションモードに切り替えて、瞑想を深めます。



それでは皆さま、どうか良き皐月デイを。

















絵や美術展&アートティックショップ
2014/04/06

美術展便り  「印象派を超えて - 点描の画家たち」




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満開となっていた桜が、
この荒れ天気で散っていますね。

道路のあちらこちらに散り花が吹き寄せられています。
我が家のベランダや玄関先にも・・・・。


私が住むこの付近は、もともと桜の樹が多い地域だったのですが、
それでも年々、住宅やマンション建設のために切り倒されて、
大分減っています。

ここの樹もあそこの樹も・・・・・・・と思うと、寂しいです。



桜の華やかさは、(昔から言われていることですが、)
どこか寂しさを運ぶ要素もありますね。





~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*




このところ、心落ち着かないことが続き、
ブログにもサイトにもなかなか向き合えないでいます。


そんな風なので、少し日常から離れようと、
美術展に足を運んできました。


1404052pa.jpg



最終日の休日ということで、少し混雑していましたが、
心の、いかにも忙しそうなさわさわぶりは、少し落ち着きを取り戻せたかな????



展覧会は、オランダのクレラー=ミュラー美術館所蔵品を中心に、
印象派や後期印象派や、彼らに影響を受けた画家たちの絵を
各作家2,3点か数点づつ紹介する構成で、
どの絵も、画集や美術展で見慣れて来ているものばかりでしたが、
それでもそれなりに、十分楽しめました。^^


会場には
友人同士やご夫婦やカップルでという方たちも多く見受けられましたが、
小さなお子さんや赤ちゃんを連れたご家族連れのお姿も多く、
そのせいか、会場内では思いきっり保育園的様相の場面も見かけました。(^-^;
(泣き叫ぶ赤ちゃん、すき間を縫うようにして走り回る小さなお子さんたち、
壁を蹴り遊ぶ元気な男の子などなど・・・・・(@_@;)(思いっきり苦笑))


休日は避けるべし・・・・・・かもね。(笑)



とはいえ、私なりに良い時間を過ごすことができました。^^





小学生のころ、
画集を通して美術洗礼?を受けた私は、
この人生の中で可能な限り多く、
この地球界の先人の美術家たちが残してくれた美術品に
触れておきたい、味わっておきたい・・・・・・・・常々そういう思いが有り、
 (心残りがないように・・・・・・・・てね。(笑))

なので、
こうした美術展が身近で常に開催されることは有り難いことですし、
好きな時にいつでも観賞に出かけることの出来る自己環境や体力にも、ある意味、感謝です。






県美術館の企画、次はシャガール展だそうです。
(予告HP↓)
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/next_index.html


楽しみです。(^^*

















絵や美術展&アートティックショップ
2013/09/16

「アートに生きた女たち」 名古屋ボストン美術館



 
台風の連休となりましたね。



下は少し以前に書き始めて途中となっていた記事です。



~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~




用があって近くに出かけたので、
立ち寄って来ました。

パンフレットより
2013bosutonhyousinatu2.jpg


~展覧会案内文より~

「あらゆる分野で女性の活躍が目覚ましい現代。
しかし芸術の世界では、近代までその主流は男性でした。
そのような時代においても
プロフェッショナルとしての創作活動を貫いた女性がいました。
彼女たちは肖像画、風景画といった絵画だけでなく、
装飾美術の分野でもその才能を発揮しました。
本展では、ボストン美術館珠玉のコレクションより、
ルブラン、カサット、オキーフなどの絵画作品に加え、
陶磁器やジュエリーなど、多彩な79作品を紹介します。
19世紀から20世紀にかけて活躍した女性芸術家の軌跡を、
さまざまな視点で紐解きます。」




(余談ですが)
立ち寄ることを念頭に、
夏場の会場は冷房が強く寒いので(苦笑)
館内ではショールの貸し出しがされていますが、
それではとても持ち堪えられそうにないので、
ということで、
春用裏地付ロングコート&夏ショール&夏手袋と、それなりに重装備を 持参し、
出かけています。

着込んで入場観賞するのですが、
そうでもしないと冷房冷えによる低体温症での後遺症で、特に腰痛となり2,3週間歩行にも苦しむなどを、
過去に何度も経験したので、今では夏場の美術館は
重装備持参で行くことにしているのでした。(笑)

大げさなと言われそうですが、会場では意外とそうではなく、
厳重に上着を着込んでいる私の姿をみて、
「上着持ってくれば良かったね。」「ホント納得、冷房寒すぎよね。」などと言い合っているご婦人連れやアベックやご家族連れなど、
私の冷え対策装備を、”羨ましがられる”場面は、これまで幾度もありましたよ。

なのでこの冷房対策、夏場の美術館の(私には)正解なる必需品と思っておりまする。(^-^)




と、余計な前置きが長くなりましたが、
女性を主役にした展覧会です。
全体的に優しいフィーリングが満ち
肩の力を抜いて、観やすく感じました。


19世紀から20世紀
女性がアートのプロとして生きるには
裕福であることや
何らかの形での理解者の存在が欠かせなかったようです。
(この点は今でも・・・・・ことに芸術分野においては、そういう面は若干有るやも・・・・・。)

なので、この展覧会を彩る女性画家の多くは、
それなりに裕福なご家庭の出身が多いようでした。
(もちろんどの人もということではありません。)




一部ご紹介

2013morizo1.jpg
ベルト・モリゾ
《器の中の白い花》1885年

白い菊の花の表現が繊細でとても良かったです。

家族同士で交流のあったマネの絵と並べて展示されています。
互いの特徴の違いがよく判る展示でした。


モルゾの絵は
こちらのサイト様で多くを見ることができます。
印象派の画家ですが、女性的な優しさが、魅力です。
http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/morisot.html





とても惹かれました。
この人の絵は、以前はそれほど関心が無かったのですが、
今回は違いました。
観る時期によって、感じるものが違うことの現れですね。


2013okiifu1.jpg
ジョージア・オキーフ《マギーからのヒマワリ》
1937年

夫であるアルフレッド・スティーグリッツの写真と並べて展示されていました。



 

ユーモアさえ感じさせ、
魅力的でした。
2013surobodokiina.jpg
エズフィール・スロボドキーナ
《タマラ、抽象》
1945年

抽象になっても女性的です。
その点が、かえって良いなと。





画像は名古屋ボストン美術館公式案内頁よりお借りしました。
(名古屋ボストン美術館は2018年10月8日閉館のためリンクを外しました。)




展覧会では
絵のほかに工芸品や宝飾品も展示されていますので、
力まず観やすく親しみやすい展示構成ではないかしら?



会期終了まで後2週間あります。
夏の終わり、そして秋の始まりのこの季節に、
女性たちの、女性ならでは感性に
美術をとおして触れてみませんか?



時間が取れましたら、是非どうぞ。と、ご紹介まででした。





























絵や美術展&アートティックショップ
2013/02/16

クリムト展 & 変化の波しぶき etc




お久しぶりです。



一見、何事もないげに見えるらしい変化の大波は、
社会的な時事の動きにも、
個々人のささやかな日常の生活上にも、

多様な現れ方で、

云わば”水しぶき”を飛ばしていますね。

しぶきは、あらゆる場面にいつのまにか降りかかっています。


社会的な大きな出来事は別として
例えば、
身近なところで
暮らし方の中でごく普通にそれが自然体と思っていた癖や
習慣的に当たり前だったこと等が、突如的に、

ぶちぶちと、

壊れたり、

見直しを、せざるを得なくなったり、していませんか?


こういうことも、何でもないように見えながらも、
実は、この水しぶきの影響かもしれませんよ。



見直しをせざるを得ないとき、
こころのエネルギーを大きく消耗したりします。
体も壊したりします。



そんな訳で、
(詳しくは省きますが、)
ちょこっとダウンしました。
(そろそろ回復してきたかな?です。)



それでも先だっての日曜日には
頑張って?「クリムト展」に行ってきました。
シャアが一週遅れになりましたね。





~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~




パンフ表より
1302kurimuto1.jpg



この展覧会は
あまり期待はしていなかったのですが、
行ってみると、予想は良い意味で見事に裏切られ、さんざん惹きつけられ、
みっちり魅入って、足を棒にして帰ってきたのでした。(笑)


圧巻的と思いましたのは、
クリムトアートの代表作のひとつに数えられている「黄金の騎士」が生まれるプロセスで
重要な意味を成したとされるウイーン大学講堂絵が
実寸大でコピー再現展示されていたことです。



講堂絵については↓
ウイキペディアより


すでに装飾家として名声を得ていたクリムトは1894年にウィーン大学大講堂の天井画の制作を依頼される。『学部の絵』と名づけられたこの天井画は『哲学』、『医学』[1]、『法学』の3部からなる。人間の知性の勝利を高らかに歌いあげるという依頼者が意図したテーマに反し、これら3枚の絵は理性の優越性を否定する寓意に満ちたもので、その是非をめぐり大論争を引き起こした。1896年に提出された構成下絵を見た大学関係者により行われた抗議は一旦は沈静化したものの、1900年と1901年に『哲学』および『医学』がそれぞれ公開されたことで論争が再燃し帝国議会において依頼主の文部大臣が攻撃される事態にまで発展した。あまりの論争の大きさにクリムトは契約の破棄を求め、事前に受け取った報酬を返却した。美術館および個人に売却された3枚の絵は後にナチスによって没収され、1945年にインメンドルフ城において、親衛隊が撤退する際の放火により没収された他の作品と共に焼失している(白黒写真および『医学』の習作が現存)。




その「哲学」がこれ

1302kurimuto4.jpg

左側縦に生と死の循環が描かれ
右側にカオスが表現され、そこにスフィンクスのような顔が浮かび上がっています。


この絵が、公的な大学という場の講堂の天井画にふさわしいかどうかは、
(18世紀ではない現代の目で見ても)?の気がしない訳ではありませんが、
当時のクリムトという人の、
まだ青ささえ感じさせる若々しい抱負の込められた意欲作かと。
新しい表現への果敢なチャレンジも見て取れます。


続く「医学」「法学」で、さらなる批判をされ、
社会との闘いを強いられることとなったクリムトは
この間に手がけた壁画「べートーベン・フリーズ」で
全身を鎧に隠した「黄金の騎士」のひな型といえる人物表現を、登場させます。

「べートーベン・フリーズ」も不評となり、
これらの流れから、
”人生は戦いである”というクリムト独自の哲学というか、
ある種フレーズのような言葉を多用するようになったらしい。
(実際、その当時はそう感じていたのでしょうね。)


↓黄金の騎士(1903年)愛知県美術館所蔵

1302kurimuto2-1.jpg


「黄金の騎士」は謎めいています。
馬術のステップを踏むような、馬の軽やかな足ポーズに対して、
騎士の方は全身を金の鎧に隠し、硬直して突っ立っています。


鎧の中の人物は、何を感じ何を考えているのでしょう?

その人物とは、
男性ですか?女性ですか?若者ですか?老人ですか?
それとも死者?骸骨?あるいは身ごもったばかりの妊婦?

そのような謎々的な問いかけを絵がしてきませんか?


金泥使用や足元の花模様の様式に
琳派などの日本美術の影響が見られます。



この展覧会の面白かったところは、
そっくりな日本美術(屏風絵)と小袖が、
クリムトを始めとしたウイーンアートの中に平然と並べて展示されていたことでした。

少々面くらいますが、
クリムトアートがどのように日本古美術の影響を受けているのか
言葉で説明するより実物を見比べる方が早いし、説得力が有るというものですね。
なるほど・・・・と思いました。




若いころから目立った才能を発揮し、
社会の壁にぶつかり、
いら立ちや怒り、苦しみ、絶望も経験しただろうクリムトさんは、

日本美術の様式を随所に取り入れつつ、
豊潤なエロスを感じさせる
独自の様式美を完成させてゆきます。



↓ここに来ると構図がほぼ日本の屏風絵そのものにみえます、が、
日本美術から吸収したものを
見事にクリムトの世界に昇華していると言えるのではないでしょうか。

ストックレー・フレーズ (0908年~0910年)
1202kurimuto2.jpg

(壁画のため展覧会場には実寸複製が来ていました。)


中央の樹は枝を拡げた生命の樹です。
拡がる枝の中で、「期待」「薔薇の茂み」などが描かれています。

↓生命の樹(部分)
 写真は下記壁紙サイト様からお借りして来ました。
 http://www.salvastyle.com/menu_symbolism/klimt_stoclefriesa.htmlより

1302kurimutoseimeinoki.jpg





クリムト展公式HP
(展覧会期は終了していますので、公式HPがいつまで残されるか不明です。
クリックなさったとき、無かったらごめんなさい。)

http://event.chunichi.co.jp/klimt/






~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~






ところで話が変わりますが、

隕石が降ってきたそうで・・・・・、
そして氷河期みたいな冷え込みが起きているそうで・・・・・・・。


他人事みたいな言い方かもしれませんが、
これって一部の予言どおりと違うかしら?
(宇宙科学でも場所の特定はできないものの可能性は予想されていた?)


(当事者の方々は何かと大変でしょうが、
少し離れた視点で書かせていただきます。↓)



やってくれるね~、宇宙さん。
ちょこっと人類脅して、筋力つけようとしているのかしら?


人類側は、もう少し束になって心ひとつにしてゆかないと、やっつけられちゃいそうですぞ~、
宇宙さんのダンスチームが起こす波の勢いに・・・・・・・・・。






しかし、新しい時代は確実は始まっています。
説明は出来ませんが、
心身が、はっきりそれを感じ取っています。
 そうお感じの方、多いのではないでしょうか?


新しい時代の新たな周波数に、
心身&現実創造を馴染ませて行くプロセスでは、
いろいろなことが起きるかもしれません。

ですが、めげずに(時にはめげるかも)、
変化を
出来れば喜んで(時には参ってしまうかも・・・・・・が、それも良しとして)
柔軟心で
受け入れ、しなやかに進んでゆきたいものです。























絵や美術展&アートティックショップ
2012/12/09

ボストン美術館所蔵「日本美術の至宝」展

 
 
 
 
寒波ということで
急に冷え込んでいます。
夕方からは、この冬のこちらでは初となる雪が、舞い始めています。
今夜は冷えそうです。

つい一週間前の12月3日は、下写真の感じで↓、紅葉がまだ見られました。
季節の移ろいが速いですね。


ご近所の神社境内にて
121209-11.jpg



~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~




今日は美術展の話題です。^^
6月から、前期後期で展示替えをされつつロングランで開催されていた
ボストン美術館所蔵「日本美術の至宝」展が
本日で閉幕しました。
閉幕ぎりぎりで、後期編を観てきました。


パンフより
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パンフレットの表にいきなり迫るのは
曽我蕭白筆「龍雲図」襖絵の一部です。制作年・江戸時代・慶長11年


墨一色で非常にダイナミックになおかつユーモラスに龍を描きだしています。
この迫力に驚かされましたが、
絵から感じ取れる筆者の眼力や観察力、集中力、そしてまた皮肉力といったことも
ずば抜けた感があって、しばし釘付けで見入りました。
(この絵は前期後期通しで展示されていました。)

この絵よりさらに息を呑んだのは同者筆の「鷹図」でしたが、
「鷹図」のみならずこの人の絵はどの絵も凄すぎの感有り・・・・・・で、

この人物はいかなるお人なのか・・・・・?
奇才とだけではとても済まされそうにないものを感じました。



注目の絵は他にもたくさんありましたが、
すべてが、
明治維新後の廃仏毀釈や大名家の没落や価値観の変化で
焼却処分や、二束三文で放出売却されようとしていたものを、
当時来日していたフェノロサやビゲロー、岡倉天心らにより収集され
(どちらかというと保護され、)
海を渡り、ボストン美術館にて今日まで保存されたきた明治維新前の時代の
日本国宝級の美術品ばかりです。
  

もしその時代に収集保護されていなかったら・・・・・・・、
焼かれるなどして、後世の私たちが観ることは永遠になかったかもしれません。
そのようなタイミングで危機一髪いわば救出された美術品と思うと
下記2絵巻の無事な姿には感激さえ覚えます。



海を渡った2代絵巻の里帰り
「吉備大臣入唐絵巻」&「平治物語絵巻」

↓下は「平治物語絵巻・三条殿焼討巻」一部  制作・鎌倉時代13世紀
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非常に生き生きと、動的な場面描写、色使い、人物表現が成されています。
当時の絵職人の技術の粋が集められていたのであろうことが十分にうかがい知れます。
歴史的資料としても意味深く、間違いなく日本古美術の至宝と言って過言ではないでしょう。
国内で保護されず、が、海外で丁重に保管保護されていたことは大きな幸いだったと思えます。
(平治物語は長く、国内で国宝として保存されている巻も有ります。)


凄いことに国立国会図書館で、すでにデジタル書籍化されていました。
(絵巻をPC上で拡大して見られます。)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1287476?tocOpened=1




↓エレガントとさえ思える端正で上品な描写
 伊藤若冲作「鸚鵡図」 江戸時代18世紀
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↓華やかです。
 尾形光琳(松島図屏風)江戸時代18世紀
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ここでのご紹介は写真がなく出来ませんが、
仏画は印象深いものが多かったです。
 当時の人々が仏画に託そうとした祈りの深さの現れでしょうか?


仏画を始めこれらの古い美術品をとおして、
日本の歴史そして時代時代の人々の暮らしやその息吹、心、祈り、精神風土などが
それとなく垣間見え、考えさせられる面も随所にありました。
(どんな時代でも、結局人々は常に平安をこそ祈りつづけてきている・・・・・・・・・・・
それが叶ったかどうかは別として・・・・・。)




前期後期の2度にわたり(2度とも混雑していましたが)観に出かけて良かったです。



再度になりますが、この展覧会については、
専用HPの方が詳しいですし、写真も綺麗ですよ。
この専用HPがいつまで公開されているのかは判りませんが、
全会期が終わるまでは有るのではないかしら?

かつて海を渡った幻の国宝、日本に帰る
 (リンクは外しました。)
 
展覧会は今後、九州、大阪へと巡回するそうです。


興味をお感じになり、そしてもしお近くでしたら、お出かけになってみられたらいかがかしら?
めったにない機会かと。
ボストン美術館に直接行く? オッ、それも良いですけど・・・・・ね。 (^-^;




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外では、まばらながら雪が降っています。
明日の朝あたり、道路が凍りそうです。
お車の方、凍結道路にお気を付け下さいね~。 





















絵や美術展&アートティックショップ
2012/10/06

興正寺  「草場一壽・陶彩画展」

 

 
  
 

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草葉一壽氏 陶彩画 「宝珠観音」
(プレミアムカードより)


色が濁らず澄んで・・・・・・・美しいです。



このほど、
我が家からするとお近くの、
八事、興正寺で、
展覧会が開催されましたので、出かけてきました。
というか徒歩10分の場所なので散歩がてらに・・・・^^。


パンフ表↓
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興正寺には、和の庭園があり、庭園を囲むように、古い趣のある和室があります。
草葉氏の展覧会は、この和室で開催されていました。

部屋は渋く、梵字の方が本来は合うような雰囲気ですが、
華やかで愛らしささえある氏の陶彩画の雰囲気が、場所の渋さと共鳴しながら引き立て合っている気がしました。
ギャラリーで見るのとはまた違った趣で、こういう企画も良いなと思いました。

結構な人出で賑わっていて、少し離れた場所から見ますと、
静かな庭園の一角の展覧会のお部屋付近のみが賑々したオーラが発せられているようで、そういうことも面白かったです。

絵はある程度見慣れていますのと、混雑していましたので、早めに一通り拝見した後は、
少し離れたところにある外茶室に行き、一人静かに1時間ばかり半瞑想(ぼんやりと言うべきかしら?)をしてきました。
その場所は外ですので、夏は暑く、冬は寒く吹きさらしで、長居は出来そうにないのですが、
この日は暑からず、風も穏やかでしたので、静かな良い時間を過ごすことができました。

静かさ・・・・風の音、木立が風に揺れる音など聞きながら、目を閉じ、じっとしていますと、
自分がどんどん小さい存在に見えてきます。
そうして、しだいに癒されます。

実生活に忙しく埋没していると見えなくなることがたくさん有ります。
こういう場所で、ぼんやり(半瞑想)させてもらうのも、良い自分見直しタイムになりますね。


但し、場所がら周りは墓地なので、
光のプロテクトは一応しますよ~。(笑)



ということで、本日は短めに、
身近な場所で行われた展覧会便りでした。
草場氏の展覧会はこちらの頁でもご紹介していますよ。
昨年11月の記事です。↓
http://irises39.blog116.fc2.com/blog-entry-304.html



さて、夏過ぎて、暑からず寒からずの穏やかな10月の最初の連休ですね。
皆様、どうぞ良い休日をお過ごしくださいませ。























絵や美術展&アートティックショップ
2012/06/19

2美術館での田渕俊夫展




 
 
いのちの煌めき「田渕俊夫展」は、現在、渋谷の松濤美術館で開催されています。

ここでは愛知県での開催分からご紹介します。
氏は20代後半から15年にわたり愛知県立芸大に在職され、在職中は必然的に県内に在住しておられた関係で、ご縁も深いようで、愛知県では2美術館での同時開催となっていました。

市美術館で開催されていた”いのちの煌めき”の作品群が、
現在、渋谷・松濤美術館に巡回展示されており、
もうひとつのメナード美術館での展示は、先だっての日曜日まで続けられていました。
私が出かけることが出来たのは、2美術館とも、それぞれの会期最終日のぎりぎりでした。



下は先日会期が終わったばかりの
↓メナード美術館パンフレットより

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パンフレット表・絵
「バレリーナⅠ」2009年 (初公開)




メナード美術館では「技のひみつ」として、
岩絵具など使用材料が説明紹介されていて、材料をとおして技術を紐解きながら絵を観賞できるよう、工夫がなされていました。その工夫(演出)は良かったと思います。
圧倒的なまでの高い技術力を感じさせる、非常にスケールの大きな絵群です。
絵の制作に使われている材料を知ることで、画家の画室に近づき、絵の制作の過程が身直に感じられ、
スケールの大きな絵の親しみにくさが、和らぐ気がしました。



下は墨絵ですが、氏の墨絵はあくまでも日本画の独特の手法に基づき、またその研鑽の成果が存分に現れているかと。
徹底した写生(デッサン)に基づき、厳しく構想構築が重ねられた上で、下絵が作られ、
最後に本画となる用紙(この場合は和紙)の上に、あとは一気に、墨による直描きがされています。
この墨描きの前に登場するのが、OHPという現代機器で(どうやら映写機のようなものらしい)、これで下絵を映写するのだそうで・・・・・・・・これには驚きましたが、氏はコピー機等も要所で使いこなし絵画制作上の技術の可能性を、自在に開拓しておられます。




薄は代表的なモチーフのようです。
たえまなく変化し続ける光の動き、逆光や、風による葉の揺らぎ、変化する温度、薄を取り巻く微妙な環境が、
独特なタッチで描かれています。

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「すすき」 2008年 (初公開)




↓拡がる雲海の表現が心地よく美しく、
見入りました。

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「大地悠久・雲海富士」2004年




色彩は鮮やかで純度が高く、岩絵の具の品質へのこだわりも随所に感じ取れます。

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「夕輝」2008年



↓比較的古い絵です。

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「早春」1977年




こちらも古いようですが、年代の確認を忘れました。
小品です。
肩の力がふっと抜けるような情感があります。
ポストカードでゲットしてきました。

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「遠い花火」




↓下は会期を5月に終えている名古屋市美術館のパンフレット。

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パンフレット表・絵
「流転」1983年



市美術館の展覧会では、展示されているすべての絵に、
画家本人の短いコメントが添えられていました。これも良い演出と思いました。
コメントをとおして画家の思いのようなものが身近になり、その制作過程を想像しながら、絵の観賞が出来る気がしました。



上の絵「流転」に添えられているコメントをカタログから

---- あさがおの種を庭に撒き、芽がでたところからスケッチを始めて、
つるを延ばし花を咲かせ実を付けて刈れるまでを、半年以上かけて画用紙に収めました。
欲張って庭のあちこちに種を撒いたので、庭中あさがおだらけになりました。
あさがおは夏の花を思っていましたが、11月になっても花を咲かせ続けます。
いつまでもあさがおにかかりきりになっていられませんので、
思い切って全部刈り取ってしまうことにしました。
明るいうちでは愛情が有ってどうしても刈り取れませんので、
妻に手伝わせて夜刈り取ったのですが、次の朝、根こそぎ刈り取られ積み上げられたあさがおが華麗な花を咲かせているのです。しばらくの間罪悪感に悩まされました。-----

 いのち煌めき「田渕俊夫展」カタログより 監修:田渕俊夫 編集:名古市美術館、中日新聞社




田渕氏の絵はスケールが大きくまた何ら隙がなく、非常に厳しい内的追及や技への研鑽ぶりが感じられます。
ですが、この方は楽しげに屈託なく、その厳しい研鑽をやってのけてる感じが見受けられ、
またお写真で拝見する範囲、お人柄の雰囲気もおっとりした感じで、
その辺も良いなーと思えました。




久々に見応えのある展覧会でした。




展覧会(いのちの煌めき)は渋谷以降、富山県、福島県と、氏にご縁のある地を巡回するそうです。
お近くの方、ぜひどうぞご高覧あれ・・・・・。


















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